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恥の多い生涯を送ってきました。   

人間失格読破しました。



有名な冒頭から始まるこの話。


人間失格というタイトルから、破滅的な主人公のイメージがあった。


でも俺は人間らしいなと思った。



人間全てを信用していないとしていながらも常に安息の地を求め、しっかり人間に頼って生きてるじゃん。



最後には廃人となる(単なる自覚?)が、誰だってそんな風になるんじゃないかな。





冒頭の一文が有名だけど、印象的な言葉も多かった。



・ワザ。ワザ。



・女のシノニムは臓物。



・罪のアントは?



・神に問う。信頼は罪なりや。

 無垢の信頼心は、罪の原泉なりや。

 無垢の信頼心は罪なりや。



・神に問う。無抵抗は罪なりや?






喜劇名詞と悲劇名詞の遊びが面白そうだった。


喜劇(comedy)名詞は「コメ」。悲劇(tragedy)名詞は「トラ」。


汽船と汽車はトラ。市電とバスはコメ。

死はコメ。生はトラと思いきやコメ。

廃人はコメ。


基準は不明瞭。

だけど「なぜそうなのか、それのわからぬ者は芸術を談ずるに足らん」だそうな。




またこれに派生して同義語と対義語の遊び。


同義語(synonym)はシノニム。対義語(antonym)はアント。


黒のアントは白。だけど白のアントは赤。赤のアントは黒。

花のシノニムは月。花のアントは女。


罪のアントに対する苦悩の綴られ方が肝ですな。





この遊びはいつかやってみたい。


こんなに奥が深いゲームはそうそうないだろう。

by sokontokoyorosiku | 2007-10-10 00:54 | 日記

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